ストロボライティングで魅せる商品撮影|露出計の使い方と光のコントロール術

ECサイトやネットショップの商品写真は、売上に直結する重要な要素です。 その中でも「ライティング(光の扱い)」は、商品の質感や形状を的確に伝えるために不可欠です。 今回は、ストロボライティングを使った商品撮影の基本と実践的なテクニックを解説しながら、露出計の使い方まで詳しくご紹介します。

なぜ商品撮影にストロボが有効なのか?

  • 光の質をコントロールしやすい:拡散光・点光源・バウンスなど柔軟に調整可能
  • 色温度が安定:蛍光灯や自然光に比べて色ブレが起きにくい
  • 同じ環境で再現性が高い:シリーズ撮影や定期更新に有利
  • 商品を浮き立たせる効果:背景との分離やハイライト・シャドウの強調

商品撮影における基本のストロボライティング構成

以下のライティング構成は、ネットショップやAmazonの商品ページ向けに最適です。

  • メインライト:商品に向けて45度の角度から設置。ソフトボックスやアンブレラを使うと自然で柔らかい影になります。
  • レフ板:メインライトの反対側に設置。シャドウを持ち上げ、立体感をキープしつつ柔らかい印象に。
  • トップライト(オプション):上からの光で立体感と質感を引き立てる。透明・反射系の商品に効果大。
  • 背景ライト:背景が白の場合、背景専用ライトで純白に飛ばし、商品の輪郭を際立たせる。

露出計(フラッシュメーター)の使い方

商品撮影では適正露出の確保が非常に重要です。カメラの背面モニターやヒストグラムだけでは判断が難しい場合、露出計が非常に役立ちます。

露出計の基本的な使い方

  1. 露出計を「フラッシュ測定モード」に設定します。
  2. 商品に向けて露出計の球体(受光部)を配置し、メインライトの方向に向けます。
  3. ストロボを発光し、露出計の表示されたF値を確認します。
  4. そのF値に合わせてカメラ側の絞り(F値)を設定し、ISOとシャッタースピードを調整します(通常1/125秒前後)。

Point:複数のストロボを使う場合は、それぞれの光のバランス(比率)も測定し、光の演出を数値で管理できます。

背景白抜き撮影に必要な光の分離

背景を完全に白く飛ばしたいときは、背景に光を当てる専用のストロボが必要です。 このとき、商品に光がかからないようにフラッグ(遮光板)を使用して光の分離を行いましょう。

  • 背景の照度:メインライトより+1〜+1.5EV程度に設定すると白抜きしやすい
  • 商品と背景の距離は1〜2m以上空けると影や映り込みを防げます

商品の質感別ライティングアドバイス

  • ガラス・金属:斜めからのライト+フラッグで反射コントロール。ハイライトとシャドウの境界が命。
  • 布製品・洋服:サイドライト+トップライトで立体感を出し、柔らかいディテールを出す。
  • 小物雑貨:真上や45度のバランス照明で「商品単体」を際立たせる。

ストロボの設定とカメラ側の設定

  • ISO:100〜200(ノイズを抑える)
  • F値:F8〜F16(被写界深度を確保)
  • シャッタースピード:1/125秒前後(カメラとストロボの同調速度以下)
  • ホワイトバランス:フラッシュ、またはマニュアルで固定

ストロボ配置の応用例(オフカメラ)

ストロボをオフカメラでワイヤレスコントロールすることで、撮影の自由度が格段に上がります。

  • 前方45度:商品撮影のベースとなる光の方向
  • 後方逆サイド:エッジライトとしてのハイライト演出
  • トップライト:ガラスや液体の反射を利用した上品なライティング

まとめ|ストロボ商品撮影で差をつけよう

ストロボライティングを活用した商品撮影では、光の質と方向、強さのコントロールが写真の仕上がりを大きく左右します。 また、露出計を活用することで精密なライティングバランスを保ち、再現性の高い物撮りが可能になります。

ネットショップやECモールでライバルに差をつけるなら、ライティング技術は欠かせません。 光を「測り、読む」ことができれば、あなたの写真は確実に一歩先に進むでしょう。

商品撮影に関するご相談はお気軽にどうぞ!

手順内容ポイント
準備1. カメラとレンズ、ストロボ、その他の必要な機材を準備する。カメラは高画素数のもの、レンズはマクロレンズや中望遠レンズが適している。ストロボは2灯以上あれば、より複雑なライティングが可能になる。
2. 商品を撮影台に置き、背景をセットする。背景は白や黒など、シンプルなものが商品を際立たせる。
3. カメラの設定をする。ISO感度は低めに、絞りはF8~F16程度に設定する。シャッタースピードはストロボの光量に合わせて調整する。
ライティング1. ストロボを1灯正面から当ててみる。商品に影ができない、シンプルなライティングになる。
2. ストロボを斜めから当ててみる。商品に立体感が出る。
3. ストロボを2灯使って、陰影をつける。より立体的なライティングになる。
4. ディフューザーを使って、光を柔らかくする。影が硬くなりすぎるのを防ぐ。
5. レフ使って、光を反射させる。影の部分を明るくしたり、光を拡散させたりする。
撮影1. テスト撮影をして、構図や光量を調整する。商品全体がフレームに収まるように構図を決め、ストロボの光量を調整して、商品の質感や色合いを正確に再現する。
2. 複数の角度から撮影する。商品の特徴を捉えたさまざまな角度から撮影する。
編集1. 撮影した画像を編集ソフトで編集する。トリミングや明るさ調整、色補正などを行い、商品をより魅力的に見せる。
2. 必要に応じて、画像に文字や説明を加える。商品の特徴や使用方法などを説明する。

補足

  • 上記は基本的な手順であり、商品や撮影環境によって調整が必要になる。

商品撮影におすすめのストロボ

  • クリップオンストロボ:カメラに取り付けて手軽に使える。
  • モノブロックストロボ:光量が大きく、さまざまなライティングに対応できる。
  • ジェネレーターストロボ:さらに高出力なストロボ。

商品撮影におすすめのディフューザー

  • ソフトボックス:光を柔らかく拡散させる。
  • アンブレラ:光を広く拡散させる。
  • レフ:光を反射させる。

商品撮影におすすめの編集ソフト

  • Adobe Photoshop
  • Adobe Lightroom
  • Capture One Pro